105F18

34歳の女性。動悸を主訴に来院した。初診時の医療面接の会話を示す。
医 師「お待たせしました。Aさんですね。私が担当のBです。よろしくお願いします。今日はどうされましたか」
患 者「半年ほど前から時々動悸の発作が起こるようになったので来ました」
医 師「それでは、少し詳しく教えて下さい」
患 者「はい。突然胸がドキドキしてきたと思ったら急激にひどくなって、手足がふるえ出し、胸がしめつけられるように息苦しくなって、居ても立ってもいられなくなります。このまま死んでしまうのではないかと恐怖を感じます」
医 師「それは大変つらいでしょうね。その後はどうなりますか」
患 者「動けなくなって救急車で運ばれたことも何度かあります。しかし、病院に着くころにはだいたい症状が治まっていて、いくつかの病院で何度も検査を受けましたが、原因はわかりませんでした」
医 師「どのようなときに症状は起こりますか」
患 者「バスや地下鉄の中で起こることが多いので、いつ動悸が起こるのかと不安で最近は外出もなかなかできません。仕事も1か月ほど前から休んでいます」
この後の医師の言葉として最も適切なのはどれか。
「職場でのトラブルについて教えて下さい」
「症状があるときに検査をしてみましょう」
「そこまで不安が強いと無理もないでしょう」
「誰かあなたの症状を証明できる人はいませんか」
「何か強いストレスをため込んでいるのではないですか」

解答: c

105F18の解説

「胸がしめつけられるように息苦しくなって、居ても立ってもいられなくな」いのはパニック発作。「このまま死んでしまうのではないかと恐怖を感じ」るのは死の恐怖。「いつ動悸が起こるのかと不安で最近は外出もなかなかでき」ないのは予期不安。器質的異常は指摘されておらず、パニック障害の診断となる。
a・e 誘引無くパニックが起こる病態であり、職場でのトラブルやストレスのような明確な原因は見いだせない。
b 症状はいつ出現するか分からない(だからこそ不安を感じる)ため、現実的ではない。また、機能的病態であるため、症状があるときに検査をしても意味がない。
c 正しい。共感的態度である。
d 本人の発言の信憑性を疑う発言であり、好ましくない。

正答率:83%

テーマ:医療面接

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