105F19

74歳の男性。突然の腰背部痛を生じ、軽快しないため搬入された。高血圧症の既往があり降圧薬を服用している。意識レベルはJCS I-1。呼吸数24/分。脈拍116/分、整。血圧76/58mmHg。腹部は膨隆し、拍動性腫瘤を触知する。左腰部から側腹部にかけて皮下出血を認める。直ちに乳酸リンゲル液の輸液を開始し、診断のための検査を行った。
その後の経過として病態の改善を示唆する所見はどれか。
意識レベルJCS II-10
呼吸数32/分
脈拍44/分
血圧74/60mmHg
尿量120mL/時

解答: e

105F19の解説

突然の腰背部痛を主訴とする74歳男性。腹部に拍動性腫瘤を認め、左腰部から側腹部にかけて皮下出血を認めることから、腹部大動脈瘤が主原因であろう。ショックバイタルを呈しており、腹部大動脈瘤または解離性大動脈瘤の切迫破裂が考えやすい。
a 意識レベルは搬入時より低下している。
b 搬入時より頻呼吸となっており、増悪している。
c 徐脈傾向であり改善したとは言えない。
d 血圧の改善はみられていない。
e 正しい。尿量は最低でも0.5ml/kg/時は必要であるが、120ml/時と尿量が得られていれば病態の改善を示唆できる。

正答率:92%

テーマ:病態の改善を示唆する検査値

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