105D59

17歳の女子。左膝の痛みを主訴に来院した。バスケットボールでジャンプして着地した際、バランスを崩して転倒した。左膝の疼痛と腫脹とが著しく、関節穿刺で30mLの血性関節液を吸引した。その後1か月で疼痛は次第に軽減したが、斜面を歩いたときに膝がガクッと曲がってしまうことが何度かあった。左膝関節を前方から見た模式図(膝蓋骨は示していない)を示す。
この患者で損傷されている可能性が高いのはどれか。

解答: a

105D59の解説

前十字靭帯損傷は、スポーツ中の着地時や方向転換時に多く、損傷時に断裂音が聞こえることもある。直後から激しい痛みが生じ、膝関節が腫脹、関節内血腫を認める。急性期をすぎると「膝がガクッと」する膝崩れを経験する。模式図は左膝関節と記載があるが、記載がなくとも左右は分かるようにしておこう。下腿の太い脛骨が内側、細めの腓骨が外側である。
a 正しい。前十字靭帯であり、関節の前方にあり、大腿外側から下腿の内側に向かう方向に存在する。
b 外側半月板である。前十字靭帯損傷の際に半月板の損傷を合併することもある。
c 外側側副靭帯である。
d 内側半月板である。
e 内側側副靭帯である。膝関節の靭帯損傷では最も頻度が高い。
f 後十字靭帯である。交通事故での損傷が多いが、前十字靭帯損傷ほどの機能障害はない。

正答率:83%

テーマ:前十字靭帯損傷の診断

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