105D47

40歳の男性。小学校教諭。5日間続く発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した。2週前に林間学校から帰ってきた。林間学校では野外活動を引率した。帰宅して9日後から発熱と倦怠感とを訴え、自宅近くの診療所でセフェム系抗菌薬の投与を受けていたが、症状が改善しないため紹介されて受診した。意識は清明。体温38.5℃。脈拍92/分、整。呼吸数24/分。血圧122/76mmHg。右前腕に皮疹を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を4cm触知する。脾を触知しない。血液所見:赤血球396万、Hb 12.0g/dL、Ht 38%、網赤血球1.2%、白血球7,800(桿状核好中球12%、分葉核好中球51%、好酸球2%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球28%)、血小板8.1万。血液生化学所見:尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 364U/L、ALT 451U/L、LD 736U/L(基準176~353)。CRP 8.3mg/dL。皮疹の写真を別に示す。
病原体として考えられるのはどれか。
真菌
原虫
ウイルス
リケッチア
マイコプラズマ

解答: d

105D47の解説

発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した40歳男性。黒色痂疲と特徴的な刺し口を認めることや、セフェム系抗菌薬が無効であることからリケッチアを考える。
a 真菌感染症は主に粘膜や肺に病変を認める。刺し口は認めない。
b 原虫感染症では、下痢をきたすアメーバ赤痢やクリプトスポリジウム、高熱をきたすマラリアなどがあるが、刺し口は認めない。
c ウイルス感染症でも発熱や全身倦怠感を認めるが、皮膚所見は呈さない。
d 正しい。治療ではテトラサイクリン系が著効する。
e マイコプラズマ感染症は非定型肺炎の1つで、紅斑を認めることはあるも刺し口は認めない。

正答率:96%

テーマ:ツツガムシ病〈つつが虫病〉〈ツツガ虫病〉の原因病原体

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