105D43

1歳7か月の女児。脾腫の精査を目的に来院した。1歳6か月児健康診査で脾腫を指摘された。出生後の発育と発達とは正常である。眼球結膜に軽度の黄染を認める。腹部で肝を1cm、脾を4cm触知する。血液所見:赤血球347万、Hb 8.7g/dL、Ht 27%、白血球12,100、血小板36万。血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL、アルブミン4.2 g/dL、総ビリルビン2.0mg/dL、AST 41U/L、ALT 23U/L、ALP 558U/L(基準361~958)、ハプトグロビン10mg/dL(基準19~170)。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。
合併によって原疾患が急激に増悪する可能性があるのはどれか。
手足口病
突発性発疹
伝染性紅斑
伝染性軟属腫
伝染性単核球症

解答: c

105D43の解説

1歳7か月児の脾腫。黄疸と貧血とがあり、ハプトグロビンが低値を示していることより溶血性貧血を考える。画像にて球状赤血球が認められ、遺伝性球状赤血球症〈HS〉の診断となる。
a 手足口病はコクサッキーウイルスまたはエンテロウイルスの感染による。本症とは特に関係ない。
b 突発性発疹はヒトヘルペスウイルス6 or 7型の感染による。
c 正しい。伝染性紅斑はヒトパルボウイルスの感染による。本症に合併すると赤芽球癆をきたす恐れがある。
d 伝染性軟属腫はポックスウイルスの感染による。本症とは特に関係ない。
e 伝染性単核球症はEBウイルスの感染による。本症とは特に関係ない。

正答率:85%

テーマ:遺伝性球状赤血球症〈HS〉の増悪因子

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし