105D29

10歳の男児。右下肢痛のため家族に伴われて来院した。4か月前から誘因なく右大腿部痛が出現したという。痛みは安静時、運動時ともにあり、夜間に増悪する。右下肢の皮膚、筋および関節に異常を認めない。右大腿骨のエックス線検査で異常が疑われたため撮影した両大腿部の単純CTを別に示す。
最も考えられるのはどれか。
骨肉腫
類骨骨腫
軟骨肉腫
骨軟骨腫
好酸球性肉芽腫

解答: b

105D29の解説

a まず、骨肉腫のような悪性腫瘍であれば、外骨膜反応を示すようなエックス線写真が示されるはずである。また、骨肉腫は自覚症状が生じている段階では腫脹も同時に認めているはずである。よって、本症とは合致しない。
b 正しい。10-20代に好発する良性腫瘍である。CT画像では、特徴である中央にnidusという透明巣を認めている。
c 軟骨肉腫の好発部位は骨幹端部の悪性腫瘍で本問に一致するが、好発年齢は40-50歳代である。また、エックス線写真で骨透亮像を認める。
d 骨軟骨種では疼痛を伴わないことが多い。軟骨帽という組織が特徴的であるが、本症例では認められない。
e 10歳未満の小児に生じる全身性の血管炎である。その多くは喘息をはじめ多臓器の症状を合併するが本症例では認めない。 

正答率:65%

テーマ:類骨骨腫の診断

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