105D30

20歳の男性。頭痛を主訴に来院した。3週前から頭痛が出現し徐々に増強してきた。食欲がなくなり、歩行時にふらつきもみられた。母と叔父とが脳腫瘍の手術を受けている。入院時血圧180/100mmHg。失調性歩行を認め、入院後も血圧高値が持続している。眼底検査で網膜血管腫を認める。腹部CTで左副腎に腫瘤を認める。頭部造影MRIのT1強調矢状断像を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
Chiari奇形
結節性硬化症
神経線維腫症1型
Sturge-Weber症候群
von Hippel-Lindau病

解答: e

105D30の解説

若年男性の頭痛。母と叔父とが脳腫瘍の手術を受けており、遺伝性の疾患を考える。画像では小脳に嚢胞を伴う腫瘍を指摘可能。von Hippel-Lindau病を背景とした血管芽腫であろう。小脳性と思われる失調をみていること、網膜血管腫と副腎腫瘤がみられていること、なども矛盾しない。
a Chiari奇形では脊髄や小脳の下垂をみる。
b 結節性硬化症では脳内石灰化や皮疹をみる。
c 神経線維腫症1型では皮疹や皮膚の神経線維腫をみる。
d Sturge-Weber症候群では三叉神経領域の血管腫や脳内石灰化をみる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:73%

テーマ:von Hippel-Lindau病の診断

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