105A41

92歳の女性。左頰部の結節を主訴に来院した。5年前から同部に「赤い皮疹」があったが受診しなかった。主訴である結節は、この「赤い皮疹」が発生母地になっていると考えられた。左頰部の写真(A)と生検組織のH-E染色標本(B)とを別に示す。
「赤い皮疹」の診断名として考えられるのはどれか。
血管肉腫
菌状息肉症
光線角化症
Merkel細胞癌
乳房外Paget病

解答: c

105A41の解説

高齢女性の左頰部の結節。画像では個細胞角化や癌真珠がみられ、有棘細胞癌と考えられる。設問では、有棘細胞癌の前癌病変を問うているので注意。
a 同じく高齢者にみられやすい予後不良の肉腫。頭部に好発する。
b 皮膚にも症候が現れるT細胞系の悪性リンパ腫。有棘細胞癌とは関係がない。
c 正しい。光線角化症は有棘細胞癌の前癌病変として有名。
d Merkel細胞癌は文字どおりMerkel細胞から発生する癌であり、有棘細胞癌とは主座が異なる。
e 乳房外Paget病はアポクリン腺から発生する癌であり、有棘細胞癌とは主座が異なる。

正答率:74%

テーマ:光線角化症の診断

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