105A37

28歳の女性。食後の腹部膨満感を主訴に来院した。1か月前から2週間にわたり、南アジアを旅行した。帰国3日前から、1日2、3回の軟便と食後の腹部膨満感とが出現し、帰国後も10日以上持続したため受診した。体温36.4℃。脈拍88/分、整。血圧120/70mmHg。腹部に圧痛を認めない。腸雑音は軽度亢進している。血液所見:赤血球390万、Hb 11.2g/dL、Ht 34%、白血球6,500、血小板32万。血液生化学所見:尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、AST 31U/L、ALT 40U/L、LD 203U/L(基準176~353)、ALP 344U/L(基準115~359)、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 101mEq/L。CRP 0.4mg/dL。便の顕微鏡写真を別に示す。
診断はどれか。
回虫症
アメーバ赤痢
日本海裂頭条虫症
ランブル鞭毛虫症
カンピロバクター感染症

解答: d

105A37の解説

南アジア旅行中から始まった腹部膨満感を主訴に来院した28歳女性。10日以上軟便が続いている。便の顕微鏡写真では栄養型(洋ナシのように見える)と嚢子型の原虫を認めている。ランブル鞭毛虫症の診断に至る。
a 回虫症の多くは無症状である。
b アメーバ赤痢であれば腹痛と粘血便(イチゴゼリー状)が特徴である。
c 日本海裂頭条虫症の多くは無症状である。
d 正しい。上記の通り。
e 鶏肉と生乳から感染し、発熱や腹痛、血便を認める。

正答率:69%

テーマ:ランブル鞭毛虫の診断

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし