105A35

32歳の女性。暑がり、発汗過多、手指振戦および労作時の動悸を主訴に来院した。2週前から症状が出現したという。感冒様症状の先行はない。身長162cm、体重52kg。体温36.2℃。呼吸数28/分。脈拍104/分、整。血圧128/72mmHg。甲状腺はびまん性に腫大、弾性硬、表面に軽度凹凸を認め、圧痛を認めない。皮膚は湿潤し、手指に振戦を認める。血液生化学所見:総コレステロール105mg/dL、AST 20U/L、ALT 26U/L、TSH 0.1μU/mL(基準0.2~4.0)、FT4 3.2ng/dL(基準0.8~2.2)。99mTcO4-甲状腺シンチグラムを別に示す。
考えられるのはどれか。
Basedow病
Plummer病
無痛性甲状腺炎
甲状腺未分化癌
急性化膿性甲状腺炎

解答: c

105A35の解説

暑がり、発汗過多、手指振戦、動悸といったキーワードより甲状腺機能亢進症を想起することは容易。TSH低値、FT4高値も矛盾しない。「甲状腺はびまん性に腫大、弾性硬」という記載からは無痛性甲状腺炎を考える。甲状腺シンチでは取り込み低下があり、これも矛盾しない。
a Basedow病では触診で軟らかい。また、甲状腺シンチでは取り込み亢進する。
b Plummer病では結節を触れる。また、甲状腺シンチでは取り込み亢進する。
c 正しい。上記の通り。
d 甲状腺未分化癌は高齢者に多い。甲状腺組織の崩壊により一過性の甲状腺ホルモン高値をみることはあるが、悠長に甲状腺シンチなどやっている場合ではない。
e 急性化膿性甲状腺炎では発熱や圧痛をみる。

正答率:64%

テーマ:無痛性甲状腺炎の診断

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