105A27

51歳の女性。難聴と耳漏とを主訴に来院した。25年前から時々耳漏があった。5年前から徐々に難聴が増悪し、耳漏を繰り返すようになった。側頭骨エックス線写真で乳突洞の発育は抑制されているが、骨破壊は認めない。右耳の鼓膜写真(A)とオージオグラム(B)とを別に示す。
適切な治療はどれか。
鼓室形成術
中耳根治術
アブミ骨手術
試験的鼓室開放術
人工内耳植え込み術

解答: a

105A27の解説

25年前から耳漏と乳突洞の発育抑制を認め、鼓膜穿孔と伝音難聴であることから慢性中耳炎だと考えられる。
a 正しい。慢性炎症によって耳小骨で上手く伝音できなくなっている状態なので、鼓室形成術が治療となる。
b 耳小骨や鼓膜などを全て除去し耳管を閉塞する術式。化膿性中耳炎や真珠腫性中耳炎の合併症を予防するために行われることがあるが、聴力が完全に失われてしまうため他の術式の適応があるときは行わない。
c 耳硬化症に対する治療である。
d 鼓膜が正常で伝音難聴がある場合に、鼓膜を開けてみて鼓室内を観察し原因を突き止める方法である。本症例ではすでに鼓膜が穿孔しているため、誤り。
e 感音難聴に対する治療法であり、伝音難聴である本問では意味がない。

正答率:91%

テーマ:慢性中耳炎の治療

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