104D28

56歳の男性。原発性肺癌(腺癌)のために抗癌化学療法を受けている。原発巣の大きさは不変であったが、徐々に心拡大をみるようになった。超音波検査で多量の心嚢液が認められた。患者は徐々に前胸部苦悶感を訴えるようになった。
この病態でみられるのはどれか。3つ選べ
徐脈
奇脈
脈圧低下
頸静脈怒張
収縮期血圧上昇

解答: b,c,d

104D28の解説

前胸部苦悶感を主訴とする56歳男性。超音波検査で多量の心嚢液を認めることから心タンポナーデが増悪していると考えられる。
a 拘束性ショックとなるため代償として頻脈となるはずである。
b 正しい。吸気時に収縮期血圧が10mmHg以上低下することを奇脈という。吸気により静脈還流量が増加するため、右室拡張により左室が圧排されるためである。
c 正しい。収縮期圧が低下することで、脈圧が低下する。
d 正しい。心タンポナーデに伴い右心不全が増悪するため頸静脈が怒張する。
e 拘束性ショックとなるため、収縮期血圧は低下する。

正答率:92%

テーマ:心タンポナーデの病態

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