104I59

68歳の女性。6か月前からの右膝の疼痛と腫脹とを主訴に来院した。膝関節痛は夜間と階段昇降時に増強する。右膝のエックス線写真を別に示す。
診断に最も有用なのはどれか。
CT
MRI
関節造影
超音波検査
骨シンチグラフィ

解答: b

104I59の解説

問題文を読む限りでは変形性膝関節症を疑うような所見である。しかし、変形性膝関節症で「夜間痛」はあまり典型的ではない。そこでエックス線写真を確認すると、関節裂隙の狭小化や骨棘は認められない。代わりに、大腿骨内顆に半卵円形の骨硬化像に縁取られた骨吸収像を認める。さらに軟骨下骨の陥没を示唆するような石灰化も認める。かなり進んだ状態の膝関節骨壊死と考えられる。本疾患では眠れないほどの夜間痛をしばしば認める。
a 発症初期ではエックス線やCTでは病変がわからないことが多い。
b 正しい。MRIのT1画像で帯状に低信号領域が確認できる。
c 関節造影は、関節腔や関節面の形状を確認する際に用いられる。
d 超音波(エコー)は軟部組織の観察に適している。骨はシャドーを引いてしまいその奥が写らないため関節内などは適さない。
e 骨シンチグラフィは癌の骨転移の発見に用いられることが多い。骨髄炎や骨折などの炎症に用いることもあるが、限られたケースである。

正答率:75%

テーマ:特発性膝関節骨壊死症の診断に有用な検査

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