104I58

49歳の女性。右の片麻痺と難聴とを主訴に来院した。幼児期から体格が小さく疲労しやすかった。学業も次第に不振となった。35歳ころから徐々に難聴が出現し、38歳ころから知能低下が出現した。47歳のときに右の片麻痺が出現し1か月後に回復した。その後、時々意識消失発作、発作性の頭痛などの症状を伴うようになった。1週前から再び右片麻痺が出現した。身長140cm、体重32kg。知能低下(IQ 39)、右同名半盲、両側性感音難聴、右不全片麻痺、構音障害、小脳性運動失調、全身の筋力低下および筋萎縮を認める。姉に同様の症状を認める。
診断に有用なのはどれか。2つ選べ
筋生検
髄液ピルビン酸測定
極長鎖飽和脂肪酸測定
運動神経伝導速度検査
血清セルロプラスミン測定

解答: a,b

104I58の解説

右の片麻痺と難聴とがある中年女性である。幼児期から体格が小さく、学業も次第に不振となり知能は低下(IQ39)している。、両側性感音難聴をみとめ、姉にも同様の症状を認めることから、ミトコンドリア病を考える。右同名半盲からは後頭葉の障害が考えられ、右不全片麻痺、構音障害、と脳卒中様の症状からミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群〈MELAS〉の診断となる。
a 正しい。MERASでは筋生検にて赤色ぼろ線維〈ragged red fiber〉を認める。
b 正しい。MERASでは血中・髄液中の乳酸上昇、ピルビン酸上昇を認める。
c 極長鎖飽和脂肪酸測定が有用なのは副腎白質ジストロフィーであり、臨床像が異なる
d 運動神経伝導速度検査が有用なのは末梢神経障害疾患である。
e 血清セルロプラスミン測定が有用なのはWilson病やMenkes病である。

正答率:75%

テーマ:ミトコンドリア脳筋症の検査

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし