104I54

60歳の男性。1年前からの頻尿と排尿困難とを主訴に来院した。直腸診で前立腺は鶏卵大で、硬結を認めない。尿所見と血液所見とに異常を認めない。PSA 2.4 ng/mL(基準4.0以下)。排尿日誌で1回排尿量200~250ml、昼間排尿回数10回、夜間排尿回数2回。国際前立腺症状スコア15点(軽症0~7、中等症8~19、重症20~35)。QOLスコア4点(軽症0~1、中等症2~4、重症5~6)。腹部超音波写真を別に示す。前立腺の長径は53mm、短径は51mm及び前後径は52mmである。
次に行うのはどれか。
骨盤部CT
前立腺生検
α1遮断薬投与
抗コリン薬投与
経尿道的前立腺切除術

解答: c

104I54の解説

臨床像や検査結果からは前立腺肥大症が疑われる。
a エコーで診断はついており、改めてCTを撮影する必要はない。また、骨盤部のその他の病変を疑う所見もない。
b 前立腺に硬結を認めずPSA値も正常であり現時点で前立腺癌を疑う所見はないため、生検は不要である。
c 正しい。前立腺肥大症では、程度にかかわらず自覚症状(排尿障害)があれば薬物治療を開始する。α1遮断薬は第一選択である。
d 抗コリン薬は前立腺肥大症を助長するため投与してはならない。
e 経尿道的前立腺切除術〈TUR-P〉は重症・難治例で行われることがあるが、本症例はそこまで重症ではない。まずは薬物治療である。

正答率:75%

テーマ:前立腺肥大症〈BPH〉への対応

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