104E59

72歳の女性。言動の変化を心配した家族に伴われて来院した。3年前に夫を亡くしてから、一人暮らしを続けている。これまでに精神症状を呈したことはなかった。3か月前から自宅に閉じこもりがちになったため、心配した長女が様子を見に行ったところ「外に出ると皆が自分の悪口を言っている」、「隣の人がいつも自分を監視している」といった話をし続けたという。診察時には表情が明るく、抑うつ気分は認めない。疎通性も良好である。幻覚は認めず、改訂長谷川式簡易知的機能評価スケールは30点(満点30)であった。
最も考えられるのはどれか。
うつ病
妄想性障害
統合失調症
強迫性障害
社会不安障害

解答: b

104E59の解説

高齢女性の被害妄想。妄想内容は単一で、疎通性良好。幻覚や認知症はみられていない。
a 「表情が明るく、抑うつ気分は認めない」とあり、否定的。
b 正しい。妄想性障害が考えやすい。
c 疎通性良好で、幻覚がみられていないことより否定的。
d 強迫行為について記載がなく、否定的。
e 「人前でスピーチできない」といった記載がなく、否定的。

正答率:53%

テーマ:妄想性障害の診断

フォーラムへ投稿

関連トピック