104D35

53歳の女性。四肢の脱力を主訴に来院した。1週前から全身の脱力感と後頭部痛とを自覚し、本日階段の昇降が困難となった。脈拍68/分、整。血圧178/94mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。筋萎縮を認めない。徒手筋力テストは両側上下肢ともに3(fair)程度である。血液生化学所見:空腹時血糖98 mg/dL、総蛋白7.6 g/dL、尿素窒素12 mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dL、Na 141 mEq/L、K 1.9 mEq/L、Cl 98 mEq/L、Ca 8.6 mg/dL、P 4.3 mg/dL。CRP 0.1 mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.47、PaO2 98 Torr、PaCO2 45 Torr、HCO3- 32 mEq/L。安静臥位での血漿レニン活性〈PRA〉0.1 ng未満/ml/時間(基準1.2~2.5)、アルドステロン2 ng/dL(基準5~10)。
問診で最も重要なのはどれか。
「ご家族にも同様の症状の方がいますか」
「過去に同じ症状の経験がありますか」
「最近飲み始めた薬はありますか」
「最近体重が減りましたか」
「お酒は飲まれますか」

解答: c

104D35の解説

「四肢の脱力」とある時点で血中Kに眼を移すべきだ。低カリウム血症による周期性四肢麻痺。レニン低値、アルドステロン低値、より偽性アルドステロン症を考える。
a 53歳での発症であり、遺伝性疾患はまず考えるべきものとは言えない。
b 重要な問診スタイルではあるも、偽性アルドステロン症の判定には役立たたない。
c 正しい。漢方薬など服用による、薬剤性の偽性アルドステロン症を考える。
d 悪性腫瘍や筋原性疾患を考えた際の問診事項。
e アルコールにより惹起される病態を考えた際の問診事項。

正答率:90%

テーマ:偽性アルドステロン症の問診

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