104D33

72歳の女性。下腿の浮腫を主訴に来院した。浮腫は3か月前から両側の足首に出現し、その後下腿全体に広がった。身長152cm、体重63kg。脈拍64/分、整。血圧160/94mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。眼底に網膜新生血管を認める。尿所見:蛋白4+、糖2+。血液所見:Hb 11.0g/dL、白血球6,800、血小板23万、フィブリノゲン460mg/dL(基準200~400)。血液生化学所見:血糖150mg/dL、HbA1c 7.4%、総蛋白6.0g/dL、アルブミン2.8g/dL、尿素窒素32mg/dL、クレアチニン1.8mg/dL、尿酸8.5mg/dL、総コレステロール380mg/dL、Na 136mEq/L、K 6.0mEq/L、Cl 108mEq/L。
浮腫の原因として考えられるのはどれか。
肝硬変
糖尿病性腎症
うっ血性心不全
大腿静脈血栓症
甲状腺機能低下症

解答: b

104D33の解説

高齢女性の下腿浮腫である。尿蛋白4+、アルブミン2.8g/dlであることからネフローゼ症候群の診断基準を満たしている。尿糖2+、血糖150mg/dl、HbA1c 7.4%であることから糖尿病であり、糖尿病性腎症と診断できる。眼底に網膜新生血管を認めることから、糖尿病性網膜症の合併も示唆できる。
a 肝硬変であるならば蛋白尿が説明できず、コレステロールも低値となるはずである。
b 正しい。上記の通り。
c うっ血性心不全ならば心音、呼吸音に異常を認めるはずである。
d 大腿静脈血栓症は基本的に一側性であり、両側性であることから否定できる。
e 甲状腺機能低下症を疑わせる所見がないため否定的である。

正答率:86%

テーマ:糖尿病性腎症の診断

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