104D30

45歳の女性。腹囲が大きくなったことを主訴に来院した。半年前から徐々に腹囲が大きくなってきた。食欲はあり、体重に変化はみられない。排便の状況にも変化はない。月経周期26日型、整。身長156cm、体重46kg。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧112/74mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は全体に軽度膨隆している。肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球432万、Hb 12.1g/dL、Ht 38%、白血球6,200、血小板23万。血液生化学所見:血糖83mg/dL、総蛋白7.2g/dL、アルブミン4.0g/dL、総ビリルビン0.6mg/dL、AST 16U/L、ALT 13U/L、ALP 174U/L(基準115~359)。免疫学所見:CRP 0.3mg/dL、CEA 26.4ng/mL(基準5以下)、CA19-9 60U/mL(基準37以下)。術前に施行した腹部造影CT(A)を別に示す。開腹手術を行うとゼリー状の物質と腫瘍が確認された。腫瘍のH-E染色標本(B)を別に示す。
原発臓器として考えられるのはどれか。2つ選べ
肝臓
虫垂
子宮
卵巣

解答: c,e

104D30の解説

CEAおよびCA19-9の上昇を認めており、開腹手術を行うとゼリー状の物質と腫瘍が確認された。胸部造影CT(A)では低吸収域の液体貯留を、腫瘍のH-E染色標本では、多量の粘液産生と腫瘍細胞も認めている。腹膜偽粘液腫と考えられる。
a・b・d 原発として考えにくい。
c・e 正しい。虫垂や卵巣が原発のことが多い。

正答率:64%

テーマ:腹膜偽粘液腫の原発臓器

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