104A52

47歳の女性。歩行困難を主訴に来院した。最近、全身倦怠感、発熱、下肢のしびれ感および下肢遠位部の筋力低下による歩行困難が出現した。約2年前から気管支喘息の治療を受けている。意識は清明。身長160 cm、体重52 kg。体温37.2 ℃。呼吸数22/分。脈拍84/分、整。血圧126/78 mmHg。呼吸音に軽度の喘鳴を聴取する。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。赤沈48 mm/1時間。血液所見:白血球12,000(桿状核好中球3 %、分葉核好中球38 %、好酸球30 %、好塩基球1 %、単球2 %、リンパ球26 %)、血小板22万。血液生化学所見:空腹時血糖98 mg/dL、総蛋白6.7 g/dL、アルブミン4.5 g/dL、尿素窒素10 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、尿酸4.8 mg/dL、総コレステロール210 mg/dL、総ビリルビン0.8 mg/dL、AST 28 U/L、ALT 25 U/L、LD 186 U/L(基準176~353)、ALP 210 U/L(基準115~359)、Na 142 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 98 mEq/L。免疫学所見:CRP 1.2 mg/dL、IgE 1,200 IU/mL(基準120以下)。胸部エックス線写真に異常を認めない。
考えられるのはどれか。
過敏性肺炎
結節性多発動脈炎
Churg-Strauss症候群
多発性筋炎・皮膚筋炎
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症

解答: c

104A52の解説

中年女性の発熱としびれから血管炎を考える。気管支喘息の背景があり、好酸球30%、IgE1,200IU/mLと上昇していることから、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〈EGPA〉〈アレルギー性肉芽腫性血管炎〉〈Churg-Strauss症候群〉の診断。遠位筋優位の筋力低下がみられるのは、血管炎により末梢神経障害がみられているためであろう。
a 過敏性肺炎では胸部エックス線写真でスリガラス影をみる。
b 結節性多発動脈炎も血管炎ではあるが、I型アレルギーとは関係しない。
c 正しい。上記の通り。
d 多発性筋炎・皮膚筋炎では筋障害をみる。近位筋優位の障害であり、ASTやLDの上昇をみる。
e アレルギー性気管支肺アスペルギルス症もI型アレルギーの背景があるが、胸部エックス線写真で浸潤影をみる。

正答率:82%

テーマ:Churg-Strauss症候群の診断

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