104A31

74歳の男性。黄疸と灰白色便とを主訴に来院した。意識は清明。身長167 cm、体重56 kg。体温37.6 ℃。脈拍80/分、整。血圧124/68 mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。上腹部に軽度の圧痛を認めるが、反跳痛や筋性防御を認めない。肝・脾を触知しない。腫瘤を触知しない。血液所見:赤血球410万、Hb 12.8g/dL、Ht 37%、白血球10,700、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン2.8g/dL、総ビリルビン14.2mg/dL、直接ビリルビン10.0mg/dL、AST 125U/L、ALT 278U/L、ALP 1,240U/L(基準115~359)、γ-GTP 1,440U/L(基準8~50)、アミラーゼ125 U/L(基準37~160)。免疫学所見:CRP 0.2mg/dL、CEA 15.3ng/mL(基準5以下)、CA19-9 15,380U/mL(基準37以下)。内視鏡的逆行性胆管膵管造影写真〈ERCP〉を別に示す。
処理としてまず行うのはどれか。
内視鏡的経鼻胆管ドレナージ
内視鏡的膵管ドレナージ
内視鏡的胆管拡張術
腹腔鏡下胆嚢摘除術
内視鏡的除石術

解答: a

104A31の解説

ERCPでは胆管の狭窄を認めており、CA19-9が高値であることから胆管癌が疑われる。眼球結膜に黄染を認め、肝・胆道系酵素の上昇、直接ビリルビンが高値であることから腫瘍による閉塞性黄疸を来していると考えられる。
a 正しい。まず胆汁うっ滞をドレナージにより解除する。
b 膵管ドレナージで閉塞性黄疸は改善しない。
c・e 総胆管結石の際の治療法である。
d 胆嚢結石術の際の治療法である。

正答率:77%

テーマ:胆管狭窄による閉塞性黄疸の治療

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