104A29

19歳の女性。動悸と胸痛とを主訴に来院した。生来健康であったが、1か月前から足のむくみを自覚するようになった。1週前にバスに乗り遅れそうになり、50mほど走ったところで失神した。来院時の12誘導心電図(A)と収縮期の心エコー図(B)とを別に示す。
この疾患でみられるのはどれか。
喘鳴
頸静脈怒張
coarse crackles
発作性夜間呼吸困難
肺動脈性II音の減弱

解答: b

104A29の解説

動悸と胸痛を主訴とする19歳女性。下腿浮腫と、心電図にて右軸偏位やV1誘導でR波の増高といった右心負荷所見を認める。心エコー図では左室がD shapeとなっており、労作時の失神歴も有することから肺高血圧症を考える。原因としては原発性肺高血圧症や慢性肺血栓塞栓症がある。
a 喘鳴は肺うっ血による心臓喘息や、気管支喘息でみる。
b 正しい。右心不全徴候の1つである。
c 左心不全でみる。
d 発作性夜間呼吸困難は左心不全でみる。
e 肺動脈成分の亢進によりII音は増強する。

正答率:82%

テーマ:肺高血圧症の症候

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