104A28

65歳の男性。胸痛と呼吸困難とを主訴に来院した。3か月前から胸痛を自覚して次第に増強し、最近呼吸困難も出現した。呼吸数24/分。血圧128/84 mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93 %。左呼吸音の減弱を認める。胸部エックス線写真(A)と胸腔ドレナージ後の胸部造影CT(B)とを別に示す。
この疾患について正しいのはどれか。2つ選べ
職業に起因する。
先行する感染症がある。
気管支鏡下生検で診断する。
放射線感受性が高い。
予後は不良である。

解答: a,e

104A28の解説

胸痛と呼吸困難主訴とする65歳男性。SpO2 93%と低下しており低酸素血症を認める。胸部エックス線写真では左肺で胸水貯留と胸膜に肥厚を認める。胸部造影CTでも左肺で胸膜の肥厚と、胸膜腫瘤を認める。以上より胸膜中皮腫を疑う。
a 正しい。アスベストが誘因で発症する。
b 感染症との関連はない。
c 気管支鏡では病変に到達できない。胸腔鏡下で腫瘍生検を行う。
d 放射線感受性は低い。
e 正しい。平均余命は約1年と予後は不良である。

正答率:81%

テーマ:胸膜中皮腫について

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