103I72

2歳の男児。白血球増多と血小板減少の精査のため入院した。4日前から38 ℃以上の発熱と下痢のため近医で治療を受けていた。症状は改善傾向にあった。意識は清明で活気がある。身長83 cm、体重11.8 kg。体温37.2 ℃。脈拍124/分、整。血圧100/56 mmHg。頸部に径1 cmのリンパ節を数個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。右肋骨弓下に肝を4 cm、左肋骨弓下に脾を3 cm触知する。血液所見:赤血球443万、Hb 11.6 g/dL、Ht 34 %、白血球21,300、血小板9.6万。血液生化学所見:総蛋白5.8 g/dL、アルブミン3.2 g/dL、尿素窒素3.0 mg/dL、クレアチニン0.2 mg/dL、尿酸4.1 mg/dL、総ビリルビン0.4 mg/dL、AST 423 U/L、ALT 586 U/L、LD 1,059 U/L(基準260~530)。CRP 0.9 mg/dL。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。
病原体として考えられるのはどれか。2つ選べ
EBウイルス
アデノウイルス
エコーウイルス
サイトメガロウイルス
インフルエンザウイルス

解答: a,d

103I72の解説

2歳男児が白血球増多と血小板減少の精査のため入院した。血液検査では肝機能の上昇を認める。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本では周辺のリンパ球より大きい異形リンパ球を認める。伝染性単核球症を考える。
a 正しい。主にEBウイルスが原因となる。
b アデノウイルスは角結膜炎や上気道感染を起こす。
c エコーウイルスは上気道炎の原因ウイルスの1つである。他に髄膜炎をおこすこともある。
d 正しい。サイトメガロウイルスも伝染性単核球症をおこすことがある。
e インフルエンザウイルスは冬季に流行する呼吸器感染症の原因ウイルスである。白血球増加や血小板減少はきたさない。

正答率:79%

テーマ:伝染性単核球症〈伝染性単核症〉〈IM〉の原因病原体

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