103I71

27歳の初妊婦。妊娠35週。妊婦健康診査時に異常を指摘され入院した。双胎妊娠であったが、経過中の胎児発育は順調で両児間に体重差を認めず、子宮頸管長は35 mm前後であった。母体血圧は120~130/68~84 mmHgで推移していた。入院当日の尿所見:尿蛋白1+。血液所見:赤血球340万、Hb 8.6 g/dL、Ht 28 %、白血球8,600、血小板8.2万。軽度の上腹部痛と10~15分間隔の不規則な子宮収縮とを認めた。入院後の血圧は148/92 mmHg。尿所見:尿蛋白1+、沈渣に赤血球多数/1視野。内診で子宮口は1 cm開大で胎児先進部は児頭である。超音波検査で胎児推定体重は第1子2,360 g、第2子2,300 gでいずれも頭位である。
次に行うのはどれか。2つ選べ
胎児心拍数陣痛計の装着
血液生化学検査
降圧薬の投与
子宮収縮抑制薬の投与
輸血

解答: a,b

103I71の解説

双胎妊娠35週であり、妊婦健康診査時に異常を指摘されている27歳の初妊婦である。血圧148/92 mmHg、尿蛋白1+と軽症の妊娠高血圧性腎症の診断基準を満たしている。10~15分間隔の不規則な子宮収縮とを認めており、切迫早産が疑われる。
a 正しい。切迫早産を把握するため、胎児心拍数陣痛計の装着を行う。
b 正しい。血小板8.2万であり、HELLP症候群に注意すべく血液生化学検査を行う。
c 治療としての降圧薬投与は有用であるが速効性は無く、まずは切迫早産に対応すべきである。
d 妊娠35週なので分娩は続行していくべきであり、子宮収縮抑制薬は不要である。
e Hb 8.6 g/dlであり、早急な輸血は必要ない。

正答率:50%

テーマ:妊娠高血圧症候群〈HDP〉・HELLP症候群の検査

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