103I55

32歳の男性。四肢の脱力のため搬入された。10日前から37 ℃台の発熱を3日間認めその後回復した。一昨日から下肢の動きが悪くなり、昨日朝にはトイレで立ち上がれなくなった。午後になると上肢も力が入らなくなり、本日朝には手足を動かすのが困難となった。意識は清明。身長170cm、体重65kg。体温36.2℃。脈拍88/分、整。血圧138/82 mmHg。両側顔面の筋力低下、四肢の筋力低下および腱反射消失を認めるが、感覚系の異常を認めない。血液所見と尿所見とに異常を認めない。脳脊髄液検査では初圧120mmH2O(基準70~170)、細胞数1/μL(基準0~2)、蛋白80mg/dL(基準15~45)。
治療として適切なのはどれか。2つ選べ
血漿交換
抗菌薬投与
免疫抑制薬投与
ビタミンB1投与
免疫グロブリン大量投与

解答: a,e

103I55の解説

10日前に前駆する感染症があり、そこから下肢スタートの上行性麻痺がみられている。腱反射消失があることから神経原性の病態を考え、蛋白細胞乖離がみられていることからGuillain-Barré症候群〈GBS〉の診断となる。
a・e 正しい。血漿交換と免疫グロブリン大量投与がGBSの治療として有名だ。
b 抗菌薬は感染症に有効。
c 免疫抑制薬は膠原病に有効。
d ビタミンB1欠乏性疾患(Wernicke脳症や脚気)に有効。

正答率:89%

テーマ:Guillain-Barré症候群〈GBS〉の治療

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし