103I54

50歳の女性。頸肩腕部の痛みとしびれ感とを主訴に職場の産業医を受診した。職場で端末キーボードからデータを入力する作業を行っている。2週前から残業時間が長くなり、1週前から症状が強くなった。糖尿病と高血圧症との既往はない。左右の上肢とも関節に変形、圧痛および可動域制限はなく、腱反射と徒手筋力テストとは正常である。
産業医の指導として適切でないのはどれか。
残業を中止する。
一連続作業時間を短縮する。
キーボードを肘よりも高い位置に置く。
他の作業とのローテーションを導入する。
空調の冷気が頸肩腕部に直接当たらないようにする。

解答: c

103I54の解説

頸肩腕部の痛みとしびれ感とを訴える50歳の女性。職場で端末キーボードからデータを入力する作業を行っている。神経学的所見は問題なく、頸肩腕症候群が疑われる。
a 残業時期と症状増悪時期が一致しており、負担軽減のため残業中止を指示する。
b・d 頸肩腕部への負担軽減のため適宜休憩をはさみ、一連続作業時間を短縮する。一環として、他の作業とのローテーションを導入することも有効であろう。
c 誤り。キーボードの位置は、肘と同じ高さが適正であり、高い位置では負担が強くなる。
e 冷気により疼痛が増悪している可能性もあり、空調管理を行う。

正答率:89%

テーマ:VDT使用者に対する産業医の対応

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