103I51

44歳の女性。嘔吐、腹痛および下痢を主訴に来院した。町内会の春季ピクニック大会に出かけ、持参の弁当を食べた2時間後に突然悪心、嘔吐、腹痛および下痢が始まった。体温36.8 ℃。脈拍84/分、整。血圧114/68 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認める。肝・脾を触知しない。神経学的所見に異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球450万、Hb 14.6 g/dL、白血球8,000、血小板31万。血液生化学所見:総蛋白6.8 g/dL、クレアチニン1.0 mg/dL、総ビリルビン0.8 mg/dL、AST 24 U/L、ALT 22 U/L、γ-GTP 30 U/L(基準8~50)、Na 141 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 0.2 mg/dL。輸液を行い帰宅させた。2日後の再診で症状は軽快していた。
原因として最も考えられるのはどれか。
きのこ毒
腸炎ビブリオ
ノロウイルス
ボツリヌス菌
黄色ブドウ球菌

解答: e

103I51の解説

嘔吐、腹痛および下痢を生じた44歳の女性。町内会の春季ピクニック大会に出かけ、持参の弁当を食べた2時間後に突然悪心、嘔吐、腹痛および下痢が始まったことからは食中毒が想起される。身体診察や血液検査にて特記すべき項目はなく、2日後の再診で症状は軽快していたこと、食後潜伏期間より、黄色ブドウ球菌による食中毒である。
a・d 神経学的所見に異常を認めないことから否定的。
b・c 本例では発熱はなく、発症時期や潜伏期間からも考えにくい。
e 正しい。上記の通り。

正答率:95%

テーマ:黄色ブドウ球菌による食中毒の診断

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