103I44

67歳の女性。下血を主訴に来院した。5日前から時々下腹部痛を自覚していたが、昨夜、突然暗赤色の下血をきたした。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。血液所見:赤血球422万、Hb 13.2 g/dL、Ht 43 %、白血球10,200、血小板38万。血液生化学所見:総蛋白8.2 g/dL、尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dL、総コレステロール202 mg/dL、総ビリルビン1.2 mg/dL、AST 22 U/L、ALT 30 U/L、LD 286 U/L(基準176~353)、ALP 202 U/L(基準115~359)。CRP 1.4 mg/dL。下部消化管内視鏡写真を別に示す。
下血の原因はどれか。
大腸憩室
感染性腸炎
潰瘍性大腸炎
腸結核
大腸腺腫

解答: a

103I44の解説

下部消化管内視鏡写真にて憩室を認める。
a 正しい。炎症反応が軽度高値であることから憩室炎を疑う。
b 下痢や嘔吐はきたしておらず、内視鏡所見からも大腸憩室が原因と考える。
c 潰瘍性大腸炎〈UC〉に特徴的な所見である血管透見性の消失などは内視鏡写真で認めない。
d 腸結核では輪状潰瘍がポイントとなる所見である。
e 大腸腺腫は内視鏡写真で認めない。また下血はきたしにくい。

正答率:93%

テーマ:大腸憩室出血の診断

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