103I43

26歳の女性。未経妊。過多月経を主訴に来院した。半年前から月経量は極めて多く、凝血塊の排出も自覚していた。1か月前の健康診断で著明な貧血を指摘された。身長158 cm、体重48 kg。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球312万、Hb 6.8 g/dL、Ht 24 %、白血球5,800。子宮頸部細胞診はクラスII、子宮内膜細胞診は陰性。腟鏡診では、外子宮口から突出する暗赤色の腫瘍を認める。内診で子宮は正常大で可動性良好。骨盤部単純MRIのT2強調矢状断像を別に示す。
対応として適切なのはどれか。
経過観察
放射線治療
腹腔鏡下腫瘍摘出術
子宮鏡下腫瘍摘出術
GnRHアゴニスト投与

解答: d

103I43の解説

過多月経をきたしている26歳の女性である。半年前から月経量が多く凝血塊の排出も自覚しており、血液所見でも赤血球312万、Hb 6.8 g/dl、Ht 24 %と貧血もきたしている。骨盤部単純MRIのT2強調矢状断像にて外子宮口から突出する筋腫分娩を認めており、粘膜下筋腫の診断となる。
a 子宮筋腫は経過観察によって退縮せず治療が必要である。
b 子宮筋腫に対し放射線治療は無効である。
c 粘膜下筋腫は腫瘍が子宮内腔に突出しているため、腹腔鏡は推奨されない。
d 正しい。粘膜下筋腫は子宮鏡によって腫瘍摘出をおこなう。
e 粘膜下筋腫では、初期の一過性のエストロゲン増加によって筋層が急成長したため大量出血の危険性があり、GnRHアゴニスト投与は禁忌である。

正答率:75%

テーマ:筋腫分娩への対応

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