103H23

40歳の女性。意識障害のため搬入された。3年前、第2子出産時に大量の出血があった。その後から無月経となり、2年前から陰毛が脱落してきた。1か月前から全身倦怠感を訴えていた。今朝、寝室から起きて来ないので、家族が見に行くと意識がもうろうとしていて呼びかけに反応がなかった。意識レベルはJCS II-30。体温35.5 ℃。脈拍56/分、整。血圧100/54mmHg。血液生化学所見:血糖61mg/dL、Na 126mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 92mEq/L。
静脈路確保の後、静脈内投与すべきなのはどれか。
アトロピン
甲状腺ホルモン薬
女性ホルモン薬
ドパミン
副腎皮質ステロイド

解答: e

103H23の解説

中年女性の意識障害。出産時の大量出血歴よりSheehan症候群を考えたい。低血糖、低ナトリウム血症、低クロール血症がみられているも、血中カリウムは基準値内にあることを確認。意識障害は低ナトリウム血症によるものが考えやすい。
a アトロピンは徐脈性疾患に有効。
b 甲状腺ホルモン薬を先に投与すると全身の代謝が亢進し、よけい血糖やナトリウムが不足する恐れあり。禁忌。
c 女性ホルモンの不足も考えられるが、意識障害の治療に直結しない。
d ドパミンは昇圧薬。収縮期血圧が100mmHgと保たれている今、緊急性はない。
e 正しい。副腎皮質ステロイド欠乏が意識障害の主因と考えられる。これをまず補おう。

正答率:94%

テーマ:Sheehan症候群の治療

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし