103G65

次の文を読み、65~67の問いに答えよ。
33歳の女性。何もする気になれないことを主訴に夫に伴われて来院した。
現病歴:31歳時、運転中に突然、息苦しさ、動悸、冷汗およびめまいが出現し、気が遠のき、死ぬのではと恐怖に駆られて近医を受診した。処置を受けて発作は落ち着いたが、その後同様の発作がしばしば起こるようになり、内科、脳外科、婦人科および耳鼻科の受診を繰り返した。「また発作が起きるのでは」という心配も強くなった。次第に銀行やデパートやスーパーへも出かけられなくなった。ここ1年間は外出を極力控え家に閉じこもるようになった。徐々に気分が落ち込み、将来に悲観的となり、物事に興味を失い、家事もやりたくない。熟睡できず、食欲が落ち、体重が1年で8 kg減少した。現在も発作は時々起こっている。
既往歴:月経前に体調不良となる傾向があった。
生活歴:生来明るい性格で、友人も多かった。高校卒業後、事務職として働いていた。22歳時に結婚し、2児を育て専業主婦として過ごしていた。
現 症:意識は清明。身長162 cm、体重45 kg。体温36.5 ℃。脈拍72/分、整。血圧120/76 mmHg。
この患者に認められるのはどれか。2つ選べ
退行
解離
広場恐怖
予期不安
緊張病性昏迷

解答: c,d

103G65の解説

何もする気になれない壮年女性。「運転中に突然、息苦しさ、動悸、冷汗およびめまいが出現し、気が遠のき、死ぬのではと恐怖に駆られ」た、という記載からはパニック障害が考えやすい。「気分が落ち込み、将来に悲観」「物事に興味を失い」といった記載からはうつ病の合併もみてとれる。
a 退行は精神年齢が減少し、幼稚なことを行うことを指す。
b 解離性障害では、多重人格が出現する、など自我のゆらぎがみられる。
c 正しい。「銀行やデパートやスーパーへも出かけられなくなった」という記載からは広場恐怖が考えられる。
d 正しい。「また発作が起きるのでは」という心配を予期不安と呼ぶ。
e 緊張病は統合失調症の一症候である。カタレプシーなどをみる。

正答率:97%

テーマ:【長文1/3】パニック障害・うつ病の症状

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