103G39

65歳の男性。左上腹部の圧迫感を主訴に来院した。2か月前から倦怠感があり、その後、徐々に食後の上腹部膨満感が出現した。喫煙は30本/日を45年間。飲酒は日本酒3合/日を35年間。意識は清明。体温36.5 ℃。脈拍84/分、整。血圧162/98 mmHg。表在リンパ節は触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝を触知せず、脾を左肋骨弓下に3 cm触知する。下腿に浮腫を認めない。血液所見:赤血球448万、Hb 14.6 g/dL、Ht 43 %、白血球12,400(桿状核好中球3 %、分葉核好中球58 %、好酸球2 %、好塩基球3 %、単球5 %、リンパ球29 %)、血小板98万。血液生化学所見:総蛋白7.0 g/dL、アルブミン4.0 g/dL、尿素窒素18 mg/dL、クレアチニン1.0 mg/dL、尿酸9.2 mg/dL、総コレステロール120 mg/dL、総ビリルビン1.0 mg/dL、AST 32 U/L、ALT 38 U/L、LD 428 U/L(基準176~353)、ALP 210 U/L(基準115~359)。骨髄生検のH-E染色標本を別に示す。
脾腫の原因として考えられるのはどれか。
アルコール摂取
うっ血
感染
腫瘍
代謝異常

解答: d

103G39の解説

高齢男性の脾腫と、それによると思われる上腹部膨満感。汎血球増加傾向(赤血球は今基準値内)がみられ、画像にて巨核球の増加がみられる。真性赤血球増加症〈PV〉または本態性血小板血症〈ET〉が考えやすい。
a アルコール摂取で脾腫を呈する例としては、肝硬変が挙げられる。
b うっ血で脾腫を呈する例としては、右心不全が挙げられる。
c 感染で脾腫を呈する例としては、リンパ系賦活化が挙げられる。
d 正しい。血液腫瘍が最も考えやすい。
e 代謝異常で脾腫を呈する例としては、Gaucher病やNiemann-Pick病、アミロイドーシスが挙げられる。
101A33と同一画像。

正答率:79%

テーマ:脾腫の原因

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