103F30

次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
29歳の男性。動悸と労作時呼吸困難とを主訴に来院した。
現病歴:学生のころから心雑音を指摘されていたが放置していた。1週前から誘因なく階段を昇るときの息切れを自覚し次第に増悪した。
既往歴:幼少時から背が高い。両腕が長く既製服を着用できない。強度の近視がある。
現 症:意識は清明。身長182 cm、体重52 kg。痩せ型で両側前腕と手指が長い。体温36.6 ℃。脈拍96/分、整。血圧116/48 mmHg。第2肋間胸骨右縁に3/6度の収縮期雑音と心尖部に放散する3/6度の拡張期雑音とを認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両下腿に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球430万、Hb 14.1 g/dL、白血球6,800、血小板28万。血液生化学所見:総蛋白7.2 g/dL、アルブミン4.8 g/dL、AST 30 U/L、ALT 24 U/L、尿素窒素18 mg/dL、クレアチニン1.0 mg/dL、総コレステロール182 mg/dL。CRP 0.3 mg/dL。
この患者の拡張期雑音を最も強く聴取するのはどれか。
立位
前屈位
仰臥位
右側臥位
左側臥位

解答: b

103F30の解説

動悸と労作時呼吸困難を主訴とする29歳男性。背が高く、長腕、強度の近視からはMarfan症候群を疑う。学生時代から心雑音を聴取されており、第2肋間胸骨右縁に3/6度の収縮期雑音と拡張期雑音とを認めることから、大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉を考える。
a 立位では静脈還流量が低下するため雑音は弱くなる。
b 正しい。前屈位で後負荷が増大することにより逆流が増加する。
c・d 仰臥位や右側臥位での聴診に意味はない。
e 左側臥位で雑音が増強するのは僧帽弁領域である。

正答率:64%

テーマ:【長文1/2】大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉による雑音の聴取に適切な体位

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