103D55

19歳の男性。臀部の腫脹と疼痛とを主訴に来院した。3日前に椅子で臀部を打ち、2日前から徐々に腫脹と疼痛とが強くなってきた。幼少時から同様のエピソードを何回か繰り返し、病院を受診している。意識は清明。体温37.8℃。脈拍92/分、整。血圧118/62mmHg。皮膚に出血斑を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。両膝関節の腫脹と屈曲制限とを認める。左臀部は腫脹、緊満し、圧痛を認めるが、発赤は認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球342万、Hb 11g/dL、Ht 33%、網赤血球4.1%、白血球9,400、血小板38万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン4.8g/dL、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、尿酸5.6mg/dL、総コレステロール164mg/dL、総ビリルビン1.8mg/dL、直接ビリルビン0.4mg/dL、AST 52U/L、ALT 38U/L、LD 402U/L(基準176~353)。CRP 0.5mg/dL。
異常がみられるのはどれか。
出血時間
PT
APTT
血小板粘着能
血小板凝集能

解答: c

103D55の解説

19歳男性の打撲後臀部腫脹・疼痛。幼少時から同様のエピソードを何回か繰り返しているという。皮膚に出血斑を認めていないことから、筋肉と関節内にみられる深部出血と思われる。真っ先に想起すべきは血友病だ。
a 出血時間は一次止血の異常にて延長する。
b PTは外因系のトラブルにて延長する。
c 正しい。血友病はAもBも内因系のトラブルが原因となる。そのためAPTTが延長する。
d・e 血友病では血小板機能に異常はみられない。

正答率:83%

テーマ:血友病で異常のみられる検査

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