103A49

49歳の男性。獣医師。乾性の咳嗽と息切れとを主訴に来院した。3か月前から乾性の咳嗽が出現し、1か月前から階段を昇ると息切れを感じるようになった。喫煙歴はない。意識は清明。身長172 cm、体重65 kg。体温36.4 ℃。脈拍72/分、整。血圧128/80 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:白血球5,300(桿状核好中球3 %、分葉核好中球48 %、好酸球4 %、好塩基球1 %、単球6 %、リンパ球38 %)。血液生化学所見:総蛋白7.2 g/dL、アルブミン3.7 g/dL、総コレステロール198 mg/dL、トリグリセリド110 mg/dL、総ビリルビン1.0 mg/dL、AST 24 U/L、ALT 22 U/L、LD 356 U/L(基準176~353)、ALP 182 U/L(基準115~359)。CRP 0.2 mg/dL、β-D-グルカン12 pg/mL(基準20以下)。ツベルクリン反応陰性。
原因の同定に有用なのはどれか。
経気管支肺生検
プリックテスト
血清沈降反応試験
抗原特異IgE抗体
ヒスタミン遊離試験

解答: c

103A49の解説

乾性の咳嗽と息切れとを主訴とする獣医師の49歳男性。身体診察で明らかな所見は認めない。発熱はなく、炎症反応も正常値であり感染症も否定的である。ツベルクリン反応が陰性であることから、サルコイドーシスや過敏性肺炎が鑑別に挙がる。サルコイドーシスの際はブドウ膜炎や両側肺門部リンパ節腫脹を伴うはずであるが、そのような記載はない。過敏性肺炎を疑い、原因の同定に進む。
a 経気管支肺生検は肺癌やニューモシスチス肺炎などに行う。β-D-グルカンは正常値のため否定的。
b・d・e これらはI型アレルギーに関する検査である。白血球分画で好酸球増多を認めないことからアレルギー疾患は否定的。
c 正しい。過敏性肺炎に対してIII型アレルギー検査である血清沈降反応試験は有用。

正答率:60%

テーマ:過敏性肺炎の検査

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