103A43

生後1か月の乳児。けいれんと意識障害のため搬入された。在胎39週、体重2,900 gで出生した。母乳栄養。本日、哺乳中に全身の強直性けいれんが出現した。傾眠状態である。体重4.3 kg。体温37.3 ℃。頭部に外傷を認めない。血液所見:赤血球380万、Hb 9.4 g/dL、白血球8,200、血小板25万。プロトロンビン時間32秒(基準10~14)、活性化部分トロンボプラスチン時間67秒(基準対照32)。血液生化学所見:総蛋白6.2 g/dL、クレアチニン0.5 mg/dL、AST 38 U/L、ALT 56 U/L。頭部単純CTで頭蓋内出血を認めた。
まず投与するのはどれか。
副腎皮質ステロイド
ビタミンK
ヘパリン
血小板
利尿薬

解答: b

103A43の解説

乳児のけいれんと意識障害。PT, APTTともに延長しており、母乳栄養であることと合わせてビタミンK欠乏症が考えやすい。易出血性のため頭蓋内出血を呈し、けいれんと意識障害が出現したのであろう。
a 免疫疾患ではないため、副腎皮質ステロイドは無効。
b 正しい。欠乏しているビタミンKを補う。
c ヘパリンを補うとさらに出血傾向となる。禁忌。
d 2次止血のトラブルであるため、血小板補充は無効。
e 脳浮腫による頭蓋内圧亢進ではマンニトールなど利尿薬を投与することはあるが、本症例では不適切。

正答率:95%

テーマ:ビタミンK欠乏症(頭蓋内出血)への対応

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