103A20

38歳の男性。失神を主訴に来院した。2日前、自動車運転中に意識を失い、交通事故を起こした。6か月前にも自宅で意識消失発作があった。父と兄とが突然死している。意識は清明。身長170 cm、体重64 kg。体温36.4 ℃。脈拍72/分、整。血圧116/80 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。12誘導心電図を別に示す。
治療として適切なのはどれか。
ベラパミル投与
ジソピラミド投与
ニトログリセリン投与
ペースメーカー挿入
除細動器植え込み

解答: e

103A20の解説

一過性意識消失を2回繰り返している38歳男性。突然死の家族歴を有している。心電図では、V1~2でcoved型ST上昇で陰性T波を伴っており、Brugada症候群と診断する。
a ベラパミルはIV群抗不整脈薬でありBrugada症候群の治療には適切ではない。
b ジソピラミドはIa群抗不整脈薬であり、Brugada症候群の治療には適切ではない。
c ニトログリセリンは冠動脈及び末梢血管拡張作用を有し、狭心症での治療薬である。
d ペースメーカーは徐脈性不整脈に対する治療法である。Brugada症候群では心室頻拍および心室細動による突然死が問題であるため適切でない。
e 正しい。心室頻拍および心室細動に対する突然死予防のための治療法である。

正答率:69%

テーマ:Brugada症候群の治療

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