103A21

妊娠41週で陣痛発来と破水がみられた38歳経産婦。問題は遅発一過性徐脈がみられていることだ。原則として、遅発一過性徐脈は胎児（胎盤）機能不全を意味するため、正期産（37〜41週）期間である今、帝王切開が第一選択となる。しかしながら、本問では選択肢に薬剤が並び、帝王切開が存在しない。「子宮口6cm開大、陣痛周期1分30秒」と過強陣痛ギリギリの数値を提示している出題者の意図を考えるに、ひとまず子宮収縮を抑制し、"帝王切開までの時間稼ぎ" をせよと要求されているものと思われる。実臨床の場でも、医師の不在や設備の問題などですぐに帝王切開ができるとは限らない場合に行われることがある投薬だ。
ａ　インドメタシンにも子宮収縮を抑制する作用があるが、同時に胎児動脈管を収縮する作用もあるため投与してはならない。
ｂ　正しい。塩酸リトドリンを投与して子宮収縮を抑制する。
ｃ・ｄ　子宮収縮促進薬であり、分娩を助長してしまうため用いない。
ｅ　硫酸マグネシウムは子癇発作時に用いる。