102I68

78歳の女性。高熱、咳および喀痰を主訴に来院した。5日前にA温泉旅館に一緒に宿泊した友人10名のうちの1人に同じ症状があると聞き心配になったと言う。胸部エックス線写真では多発性陰影が認められた。同日、保健所から医療機関に「A温泉旅館の過去1か月間の宿泊客2,540名のうち15名が同じ症状を持っていることが判明し、また患者喀痰と温泉の浴槽水を調べたところ検出された菌の遺伝子が一致した」との連絡があった。
最も考えられるのはどれか。
結核
レジオネラ症
インフルエンザ
マイコプラズマ肺炎
クリプトスポリジウム症

解答: b

102I68の解説

78歳女性が高熱、咳および喀痰を主訴に来院した。同一温泉旅館に宿泊した患者複数人に同様の症状を認め、胸部エックス線写真で多発性陰影が認められたことからレジオネラ肺炎を考える。
a 結核であれば微熱を呈し、多発陰影よりも境界明瞭な空洞形成を伴う浸潤影を認める。
b 正しい。上記の通り。
c インフルエンザであれば、一般に胸部エックス線写真で異常陰影を認めないことが多く、関節痛が前面に出る。
d マイコプラズマ肺炎も同じく非定型肺炎の1つであるが、高熱は必須ではなく、温泉宿泊者複数人に発症したという経過からはレジオネラ症を第一に考える。
e クリプトスポリジウム症では下痢症状を呈する。

正答率:96%

テーマ:レジオネラ症の診断

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