102E56

50歳の男性。意識が低下し、突然全身けいれん発作が起きたため搬入された。3日前から頭痛、嘔吐および発熱があった。意識レベルはJCS III-200。体温38.5℃。眼底検査でうっ血乳頭を認め、左眼で眼球の外側への偏位、散瞳および対光反射の消失を認める。項部硬直があり、Kernig徴候が陽性。痛覚刺激で左顔面と右上下肢との動きが乏しく、深部腱反射は右上下肢で亢進している。
最初に行う検査はどれか。
脳波
頭部単純CT
脳血管造影
頭部エックス線単純撮影
腰椎穿刺による脳脊髄液検査

解答: b

102E56の解説

中年男性の意識低下と全身けいれん発作。項部硬直があり、Kernig徴候が陽性とのことから髄膜炎を考える。しかしながら、うっ血乳頭(頭蓋内圧亢進を示唆)や動眼神経麻痺、錐体路障害がみられており、脳内に炎症が及んでる可能性が高い。脳膿瘍や髄膜脳炎が考えやすい。
a 脳波測定には時間がかかり、意識障害がみられている現時点には向かない。
b 正しい。頭蓋内に存在する病変を短時間で描出することができる。ただし意識障害のある患者へのCTは、施行中に呼吸停止等により死に至る可能性があり、慎重さが要求される。
c 脳血管造影には時間がかかり、意識障害がみられている現時点には向かない。
d 頭部エックス線単純撮影は頭蓋骨骨折など、骨を評価する検査であり、髄膜脳炎の検査には向かない。
e 頭蓋内圧亢進時に腰椎穿刺を行うと、脳ヘルニアをきたし、病態を悪化させる危険性が高い。禁忌肢である。

正答率:86%

テーマ:うっ血乳頭を認める意識障害患者に行う検査

フォーラムへ投稿

関連トピック