102E48

21歳の女性。繰り返す腹痛と皮疹とを主訴に来院した。2週前に感冒様症状が出現し、軽快した後から軽度の腹痛を自覚していた。2、3日前から両下腿に隆起性の皮疹を多数認めていた。意識は清明。体温36.6℃。血圧110/66mmHg。腹部は平坦、軟で、圧痛や抵抗を認めない。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血1+。血液所見:赤血球425万、Hb 12.4g/dL、白血球8,300(桿状核好中球1%、分葉核好中球42%、好酸球30%、好塩基球1%、単球8%、リンパ球18%)、血小板31万。下腿の写真を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
Osler病〈遺伝性出血性末梢血管拡張症〉
単純性紫斑
血小板無力症
von Willebrand病
Schönlein-Henoch紫斑病

解答: e

102E48の解説

2週前の感冒様症状後、繰り返す腹痛と皮疹とが出現した若年女性である。この時点でIgA血管炎(Schonlein-Henoch紫斑病)が疑われる。尿所見では蛋白1+、潜血1+、血液所見では好酸球の増加をみとめる。下腿の写真では下腿前面に多数の点状出血斑をみとめ、IgA血管炎の診断となる。
a Osler病〈遺伝性出血性末梢血管拡張症〉は家族性に発症し、皮虜・粘膜の局所的な毛細血管拡張が多発することで鼻出血を呈する疾患であるが、本例とは臨床像が異なる。
b 単純性紫斑は若年女性に好発する原因不明の紫斑を生じるが、腹痛を伴わない。
c 血小板無力症は血小板凝集能と退縮能とが低下する病態であるが、腹痛は伴わない。
d von Willebrand病は 鼻出血や歯肉出血、消化管出血など浅い出血が症候として多く、本例とは臨床像が異なる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:94%

テーマ:IgA血管炎〈Schönlein-Henoch紫斑病〉の診断

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