102A26

30歳の男性。交通外傷後遺症のため、妻に付き添われて来院した。半年前、自動車の助手席に座っていたところ、その車が他車と正面衝突し、頭部を強くフロントガラスに打ち付けて意識を失った。3日間昏睡状態であったが徐々に意識が回復し、3か月後に退院した。その後、在宅療養をしている。神経学的には、四肢筋力、表在・深部感覚、四肢の協調運動および深部腱反射に異常はない。改定長谷川式簡易知的機能評価スケールで28/30、Wechsler成人知能検査で全IQは100、言語性IQは98、動作性IQは102である。頭部MRIのT2強調水平断像と正中矢状断像(A、B)とを別に示す。
この患者にみられるのはどれか。
失行
情動障害
同名半盲
半側空間失認
二点識別覚障害

解答: b

102A26の解説

若年男性の交通外傷後遺症。現在のMRIではA, Bともに前頭葉の高信号域を認める。選択肢から前頭葉障害にてみられる高次機能を選べばよいこととなる。
a 失行は頭頂葉障害にてみられる。
b 正しい。情動障害は前頭葉障害にてみられる。
c 同名半盲は後頭葉障害にてみられる。
d 半側空間失認は頭頂葉障害にてみられる。
e 二点識別覚障害は頭頂葉障害にてみられる。

正答率:87%

テーマ:脳挫傷による前頭葉障害

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