102A25

52歳の男性。物忘れがひどくなったことを主訴に妻に伴われて来院した。意識は清明。上機嫌で話し始めるが怒りっぽい。発語は不明瞭で音省略、音重複、語順序転倒および語脱落が混じる。瞳孔は左右不同で不正円である。対光反射は両側で欠如している。輻湊反射は正常である。両側上下肢の腱反射は軽度亢進し、手指に振戦を認める。歩行は正常で、深部感覚の異常は認めない。血清梅毒反応陽性。
この患者にみられるのはどれか。2つ選べ
言語蹉跌
Romberg徴候
カタレプシー
失外套症候群
Argyll Robertson瞳孔

解答: a,e

102A25の解説

中年男性の物忘れ。「発語は不明瞭で音省略、音重複、語順序転倒および語脱落が混じる」という記載は言語蹉跌(さてつ)を、「瞳孔は左右不同で不正円である。対光反射は両側で欠如している。輻湊反射は正常である」という記載はArgyll Robertson瞳孔を示唆している。血清梅毒反応陽性であることから、神経梅毒と考えられる。
a・e 正しい。上記の通り。
b Romberg徴候は深部覚障害や内耳障害にて陽性となる。
c カタレプシーは緊張病にてみられる。
d 失外套症候群は大脳皮質の広範な障害であり、歩行不能となる。

正答率:80%

テーマ:神経梅毒の症状

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