101H48

30歳の女性。1年前に交通事故で脊髄を損傷した。第12胸髄以下の完全対麻痺、神経因性膀胱が残存した。残尿量は150ml、尿沈渣では白血球20/1視野。静脈性腎盂造影写真では軽度の尿管の拡張がある。
最も適切な尿路管理はどれか。
膀胱瘻造設
間欠自己導尿法
無菌的間欠導尿法
手圧排尿法の指導
尿道バルーンカテーテル留置

解答: b

101H48の解説

交通外傷による脊髄損傷。これによる神経因性膀胱で残尿と膿尿とがみられる。静脈性腎盂造影写真で軽度の尿管の拡張があることから、水腎症もきたしている(orきたしかねない)状態と考えられる。
a 尿道狭窄等でカテーテルを挿入できないケースで考慮する。
b 正しい。膀胱内から尿を出す手技として1stとなる。
c 尿路は無菌であるため、もしかしたら本選択肢を選んでしまった者もいるかもしれない。が、陰部周辺には雑菌も多く、厳密な意味での無菌操作を患者自身が行うことは困難だ。本問では「尿路管理」、すなわち日常生活で今後本患者が行っていく管理方法を問うている。ゆえにbが正答となる。
d 神経機能が残存している軽症では行われることもあるが、尿管の拡張がある現時点では逆流をむしろ促進してしまい、水腎症を惹起or悪化しかねない。
e cでも示したように、カテーテルを留置し続けるのは日常生活のQOLを考えた際に現実的ではない。

正答率:72%

テーマ:神経因性膀胱の尿路管理

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