101H41

52歳の男性。突然の胸背部痛を主訴に来院した。5年前から高血圧を指摘されているが治療は受けていなかった。意識は清明。身長178cm、体重72kg。呼吸数20/分。脈拍96/分、整。血圧192/64mmHg、左右差なし。第3肋間胸骨左縁に最強点を有する拡張期雑音を聴取する。
この時点での検査として適切でないのはどれか。
心電図
心エコー
胸腹部造影CT
心筋シンチグラフィ
胸部エックス線撮影

解答: d

101H41の解説

突然の胸背部痛を主訴とする52歳男性。高血圧を放置されており、心疾患のリスクである。第3肋間胸骨左縁に最強点を有する拡張期雑音は大動脈閉鎖不全症が示唆される。臨床症状からは急性大動脈解離に大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉を合併したと考えられる。
a 上行大動脈解離には虚血性心疾患も合併することがあるため、心電図検査を行う。
b 上行大動脈解離ではflapを認めることがある。また、ARの評価などを確認できる。
c 解離腔の有無を評価できる。
d 誤り。心筋シンチグラフィは心筋虚血の有無の評価であり、本症例での優先度は低い。
e 左1弓の突出の有無や縦隔拡大などを確認できる。

正答率:91%

テーマ:大動脈解離の検査

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