101H27

65歳の女性。昨日からの頻回の嘔吐、腹痛および腹部膨満感を主訴に来院した。3日前から排ガスと排便とがない。37歳時に虫垂炎の手術既往がある。意識は清明。体温37.8℃。脈拍88/分、整。血圧120/68mmHg。腹壁は著明に膨隆し、鼓音を呈する。白血球13,000。腹部エックス線単純写真立位像を別に示す。
治療方針で誤っているのはどれか。
輸液
絶飲食
緩下薬投与
抗菌薬投与
経鼻胃管挿入

解答: c

101H27の解説

腹部エックス線写真ではKercklingヒダを伴うniveauを認め、小腸閉塞を示唆する。手術歴があり、癒着性腸閉塞の可能性が高い。
a 腸管からの水分吸収が滞り、脱水となるため輸液が有用。
b 飲食により消化管内圧が上昇するため、絶飲食とする。
c 誤り。腸閉塞時の緩下薬投与は消化管内圧をさらに上昇させてしまうため禁忌。
d 腸内容物の停滞により腸内細菌が繁殖し、敗血症をきたす恐れがある。その予防に抗菌薬を用いる。本患者では発熱もあり、すでにその傾向がみられており抗菌薬の使用が推奨される。
e 経鼻胃管挿入により減圧を図る。

正答率:95%

テーマ:単純性腸閉塞(イレウス)の治療方針

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