101G59

27歳の女性。「訳の分からないことを言う」と父親に連れられて来院した。左前腕に数多くの注射痕が認められる。半年前から、同棲相手が歓楽街で買って使っていた薬を自分も使うようになった。薬は自分で静脈に注射していたと言う。当初は気分が高揚し、疲労感がなくなり、頭の回転が良くなるなど、快感を体験できていた。しかし、1か月前からは「殺してやる」という幻聴が現れ、いつもやくざにつけねらわれているという妄想にとりつかれている。
正しいのはどれか。2つ選べ
薬物を中断するとせん妄が起きる。
フラッシュバックは起きない。
抗精神病薬が有効である。
精神依存はみられない。
感染症を検査する。

解答: c,e

101G59の解説

気分が高揚し、疲労感がなくなり、頭の回転が良くなるなど、快感を体験できていたとのことで、「同棲相手が歓楽街で買って使っていた薬」は覚醒剤と考えられる。1か月前からみられている症状は覚醒剤精神病が考えやすい。
a 中断により離脱症状はみられる可能性があるが、せん妄には至りにくい。
b フラッシュバックをきたすことで有名な疾患だ。
c 正しい。抗精神病薬が治療薬として用いられる。
d 精神依存は存在する。が、身体依存は存在しない。
e 正しい。不潔な注射針の回し打ちにより、HIVなど感染症に罹患してしまっている可能性もある。

正答率:61%

テーマ:覚醒剤精神病の特徴

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