101G32

65歳の女性。坂道での動悸と息切れとを主訴に来院した。3か月前から家族に顔色不良を指摘されていた。1か月前から主訴を自覚しはじめ、徐々に悪化した。脈拍96/分、整。血圧134/64mmHg。表在リンパ節の腫大はない。左肋骨弓下に脾を2cm触知する。血液所見:赤沈123mm/1時間、赤血球145万、Hb 6.6g/dL、Ht 17%、網赤血球23%、白血球8,900、血小板36万。血清生化学所見:ハプトグロビン10mg/dL以下(基準19~170)、総ビリルビン2.7mg/dL、間接ビリルビン1.9mg/dL、AST 50U/L、ALT 32U/L、LD 650U/L(基準176~353)。免疫学所見:直接Coombs試験陽性、寒冷凝集反応32倍(基準128以下)。
治療法として適切なのはどれか。
蛋白同化ステロイド薬投与
副腎皮質ステロイド薬投与
アザチオプリン投与
シクロスポリン投与
脾摘術

解答: b

101G32の解説

高齢女性の動悸と息切れ。脾腫、網赤血球増加、ハプトグロビン低値などから溶血性貧血を考える。直接Coombs試験陽性であることから自己免疫性溶血性貧血〈AIHA〉と判定される。
a 蛋白同化ステロイド薬は再生不良性貧血に有効。
b 正しい。副腎皮質ステロイド薬が第一選択となる。
c・d 副腎皮質ステロイド薬が著効しない例での第二選択以降として用いられる免疫抑制薬。
e 脾摘術も有効ではあるが、第一選択とはならない。

正答率:72%

テーマ:自己免疫性溶血性貧血〈AIHA〉の治療法

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