101G25

32歳の女性。急激な体重減少を主訴に来院した。6か月前から心窩部痛を自覚している。腹部は膨隆し、波動を認める。肝・脾を触知しない。穿刺腹水所見:淡黄褐色、総蛋白4.0g/dL。血液所見:赤沈4mm/1時間、赤血球344万、Hb 9.8g/dL、Ht 28%、血小板6万、プロトロンビン時間70%(基準80~120)、フィブリノゲン100mg/dL(基準200~400)、FDP 28μg/mL(基準5以下)。血清生化学所見:総蛋白6.9g/dL、アルブミン3.5g/dL、AST 30U/L、ALT 22U/L、LD 719U/L(基準176~353)、ALP 230U/L(基準260以下)。CEA 5.5ng/mL(基準5以下)。上部消化管造影写真を別に示す。
考えられるのはどれか。2つ選べ
早期胃癌
腹膜播種
漏出性腹水
蛋白漏出性胃腸症
播種性血管内凝固〈DIC〉

解答: b,e

101G25の解説

上部消化管造影写真では胃幽門部周囲に狭窄を認めており、癌浸潤を示唆する。また、CEAの高値、腹水貯留、若年であることを考えると腹膜播種を伴う4型スキルス胃癌を考える。
a 進行胃癌である。
b 正しい。腹膜播種による癌性腹膜炎を合併していると考える。
c 癌性腹水は滲出性腹水である。腹水所見で総蛋白 4.0g/dLであることも鍵となる。
d 血清総蛋白、アルブミンの著明な低下は認めていない。
e 正しい。プロトロンビン時間の延長、フィブリノゲンの低下を認めている。

正答率:66%

テーマ:進行胃癌に伴う腹膜播種と播種性血管内凝固〈DIC〉の診断

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